「百合はさ」感想 第八話

キスよりも

そら悪夢も消し飛ぶわ

彼氏とキスしている最中でも

相川が考えるのは音楽と片桐のことばかり。

愛しくて可愛い反面、流石に挟まる男が可哀そう……

女は海、ですね。

そして後輩ちゃん。

切ねぇですねぇ……

棘のある言い方をするときの冷たい眼差し

そして片桐の望む未来とはきっと重ならない自分の本心を語るときの伏せた眼差し

片桐の寄せる相川への絶対的な信頼に『あ、マズった』みたいな眼差し

吹奏楽の、音楽への愛情が溢れ出んばかりの片桐の横顔をガン見する眼差し

憧れの人からの評価に喜びがハジケ飛んじゃいそうな眼差し

相川の登場にホワホワする片桐の後ろで全ての熱を失ったかのような眼差し……

片桐と相川の関係性がとっても素敵だからこそ

読者としては応援したくなるし、つけ入る隙も無くなってくるんだけど

挟まる後輩ちゃんが健気過ぎて切ねぇ…皆幸せになって欲しい。

そして相川が居ない時のデレっぷりとは打って変わって

ツンとした片桐とゆるゆる(にであろうとしている?)相川の掛け合いが微笑ましい。

塩ながら高い要求をしてくる片桐の隣は楽ではない。

これ『人として』ってのと『音楽』とどちらの意味でもあるんでしょうね。

音楽を純粋に愛する片桐の隣で、音楽への姿勢も隣に居る理由も不純(と思っている)相川。

強い光で自分の道を照らそうと思っていたのに、晒されるのは自分の黒い部分ばかり。

それでも晒された後には本当の自分が残るはずと、その場所を離れたくはなかった。

また、音楽面でも高い要求をされてそれに応える力があって

お互いに呼応するように高め合っていける。

そんな『メキメキ上達』している最中って楽しくてたまんないですよね。

反復練習、基礎、本番でよりよい作品にする為の調整。

そのどれもが『負荷』であるはずなんだけど、

モチベーションが伴うと『努力を努力と思えない』時間が訪れます。

本気の人と一緒にいるとすごいカロリー使うんですよね。

でもそれが心地いい。

某シガポも言ってましたけど

“リラックス”と“集中”は 同じものなんだよ‼

今まで出会った他の人よりも(自分と同じく)多くのエネルギーを音楽に注いできた

片桐と相川だからこそ

相手に忌憚の無い意見を言えるし

素直に耳を傾けることができるし

高い要求をすることも、応える姿勢を怠らないこともできてしまう。

演奏の質を高めようとヒリついているその心の中は

とても平穏だったりするんでしょうね。

楽じゃないけど楽しい。

だからこの場所は譲れない。

作者さんのお声

次回は相川が吹奏楽講師になにを言われたのか判明します

前回注釈を入れたかと思えば今回は次回予告でした。

『オッス、オラ悟空』

ですね。

というわけで不穏な講師の視線から引きます。

皆さんのお声

彼氏がちょっとかわいそうってお声と

後輩ちゃんのバレバレになった気持ちを貴ぶお声と

講師の台詞の続き考察が目立ちましたかね?

黒板にも書いてたけど、はっきりと曲名が

『ルイブルジョワの讃美歌による変奏曲』だと名言されたのは

多分初かな……?

吹奏楽民からは難曲だけどいいよねってなお声も。

筆者も百合はさファンとしては聞いとかねばとyoutubeを手繰ってみると

動画のコメント欄に『百合はさからきました』のお声がちらほらと。

クラッシックを題材にした作品はいろいろありますが、

作中曲は知りたくなってしまいますよね。

『のだめカンタービレ』や『ピアノの森』をきっかけにクラッシックを聴いたという人もいると思います。

そして『百合はさ』もまた、誰かのクラッシックの第一歩になったりするんですね。

やっぱりもう『百合』というだけの枠には収まりきらない

痛快娯楽本格吹奏楽多様性恋愛青春群像劇漫画ですね。

🍀 ルイ・ブルジョアの讃美歌による変奏曲 Variations on a Hymn by Louis Bourgeois 立命館大学応援団吹奏楽部
ジュディ・オング/魅せられて/1979年

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